スンさんのお姉さんは、以前、ヤクザと結婚していました。DVで入院したあとに離婚しましたが、初め会ったときは、とてもヤクザと結婚するような人には見えませんでした。
離婚前、彼女はスリーセブンの店を経営していました。ソウルや釜山にはたくさんあります。外から中が見えないように目隠しがしてあって「777」の文字がある店です。小規模のパチスロ店だと思えばいいでしょう。映画やドラマにも登場します。
スリーセブン店のほとんどがヤバイ系です。韓国でもメダルの換金は非合法だからです。お客さんもギャンブル好きの人ばかりで、暗い店内は怪しい雰囲気でいっぱいです。無理を言って何度か覗かせてもらったことがありますが、かなり怖い雰囲気でした。
スンさんは、お姉さんに頼まれて店番をすることがありました。当時、彼は公認会計士をめざして浪人していて、お姉さんに頭が上がらなかったのです。でも、人間ウオッチングができて、とても面白かったそうです。
こういった店にヤクザや自営業者がいるのは当たり前ですが、スンさんが面白いと思ったのは、企業で総務課長や事務局長をしているサラリーマンが多かったことです。
スンさんがその訳を説明してくれました。
「ヒョンニム(兄貴)、その人たちは会社の金をくすねて来てたんですよ。その証拠に、しばらくするとみんな来なくなりました。長い人でも半年でしたね。使い込みなんて、いつかはバレるもんですよ」