☆ウンポコロコ☆ 日刊笑笑新聞

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月はどっちに出ている 


 『月はどっちに出ている 』は、1993年、在日朝鮮人の日常を政治的なメッセージを排して描いた映画として話題になり大ヒットしました。
 このとき新宿の映画館で観たのですが、昨日レンタルビデオ店で発見し、懐かしさのあまり借りてしまいました。やっぱりおもしろかったです。当時の感動が蘇りました。
 ただ、クセのある映画なので、観た人の評価は分かれると思います。いっしょに観た妻は「全然おもしろくなかった」と言っています。

 在日コリアンのタクシー運転手とフィリピンホステスの恋を軸に、社会の周辺に追いやられた人々をコミカルに描いています。
 監督は崔洋一ですが、この映画が彼の最高作(2番目は『刑務所の中』)だとボクは思っています。不幸なエピソードの数々を、絶妙な演出で笑えるシーンに仕立て上げています。映画のタイトルにもなっている月のシーンも、効果的に使われています。

 原作は梁石日の『タクシー狂操曲』ですが、崔監督と鄭義信(新宿梁山泊の脚本家として有名)が原作をかなり変えて脚本にしているので、原作というよりは原案といったほうが正しいでしょう。
 主人公が子供のころの話は『血と骨』という小説になっていて、監督崔洋一、主演ビートたけしで映画化されています。

 タクシー運転手役の岸谷吾朗の演技が、ひときわ光っています。SETで看板役者といっても一般世間では無名だった彼を抜擢した崔監督に拍手です。ホステス役のルビー・モレノは、演じたというよりも、地のままカメラの前に立ったという感じです。小木茂光、國村隼、麿赤児といった個性的な俳優陣も、良いスパイスになっています。

 また、この映画は、シネカノンの李鳳宇が初めてプロデュースした作品としても有名です。この映画の成功により、シネカノンは『風の丘を越えて』(この映画もオススメです!)や『シュリ』を配給することができました。このころのエピソードは『「月はどっちに出ている」をめぐる2、3の話』に紹介されています。『月はどっちに出ている - 崔洋一の世界』もオススメの一冊です。

 何かいろいろ問題があってDVD化は難しいようなので、お手数ですがビデオ版でご鑑賞ください。
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